関東東山病害虫研究会報
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畑作物・野菜の虫害
タバコカスミカメのバンカー植物としてのスイートアリッサムの評価
三浦 早貴矢野 栄二
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2023 年 70 巻 p. 81-85

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抄録

雑食性の捕食者タバコカスミカメは,植物種によってはその植物質のみを摂食しても増殖できる。このような植物は,代替寄主や代替餌なしで,バンカー植物として利用できる。これまで,ゴマ,クレオメ,バーベナ,スカエボラのバンカー植物としての利用が提案されてきた。本研究では,植物質のみで増殖できるバンカー植物のさらなる候補として,スイートアリッサムをとりあげ,本種の発育,生存,産卵を25℃,16L8Dの条件下で調べ,ゴマあるいはクレオメを与えた場合と比較した。その結果,スイートアリッサムの葉と花の両方を与えた場合の卵期,幼虫期の平均発育日数は,それぞれ9.7日,19.3日,その間の生存率は100%,58%であり,羽化後21日間の雌1頭当たりの平均総産卵数は25.1卵,21日後の生存率は71%であった。また幼虫期の平均発育日数,雌1頭当たりの平均総産卵数はクレオメの葉を与えた場合と有意差はなかったが,ゴマの葉を与えた場合より,発育日数は有意に長く,産卵数も有意に少なかった。以上より,花の存在するスイートアリッサムのバンカー植物としての適性は,花無しのゴマより劣るものの花無しのクレオメと同程度と考えられた。スイートアリッサムはバンカー植物としての利用の可能性が期待される。

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© 2023 関東東山病害虫研究会
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