2025 年 72 巻 p. 100-103
有機栽培で利用可能なイチゴ苗消毒方法3種類について,カンザワハダニに対する効果の比較を行った。有機育苗を行った苗3品種(「恋みのり」,「よつぼし」,「とちおとめ」)にカンザワハダニを20頭/株の密度で接種して定着させ,蒸熱処理,調合油浸漬処理,高濃度二酸化炭素処理,無処理のいずれかの処理を行った。処理5日後のカンザワハダニの生死を調査したところ,高濃度二酸化炭素処理は死亡率が100%,調合油浸漬処理は98%,蒸熱処理は88%,無処理は37%であった。次に,有機育苗された苗を用いた本圃栽培において,苗の半数を定植当日に蒸熱処理消毒し,蒸熱処理の有無と定植後のワタアブラムシ発生推移を調査した。その結果,ワタアブラムシの発生ピーク時の発生量は苗消毒なしの場合の半分以下に,栽培期間中の累積発生量は22~34%になった。