関東東山病害虫研究会報
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ダイズ品種「丹波黒」における英しみ症状の原因調査と防除対策
久保 周子吉沢 雅弘竹内 妙子
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2006 年 2006 巻 53 号 p. 9-11

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抄録

千葉県で水田転換作物として栽培されているダイズ (品種: 丹波黒) の莢に生じる褐色のしみ症状 (莢しみ症状) の原因を調査した。莢しみ症状発生ほ場より採種した黒ダイズ種子を播種し, 3週間ガラス室内で管理した後にウイルス検定を行ったところ, 13.0%の株でSMVの感染が確認された。さらに同種子を露地ほ場に播種したところ, 播種後12週目には感染株率95.2%, 莢しみ症状発生株率75%となった。これらのことから, 本症状はSMVの感染が主な原因であると考えられた。また, 購入種子を隔離ほ場で栽培したところ, SMVの感染は認められなかったことからも, 種子が1次伝染源であると考えられた。このことから, ウイルス感染の危険性が少ないほ場を選定し, 無病種子を用いて栽培することで, 被害を回避できると考えられた。

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