教育学研究
Online ISSN : 2187-5278
Print ISSN : 0387-3161
ISSN-L : 0387-3161
論文
ハンナ・アレントにおける「自発性」の教育思想
「世界」を刷新することと教育が「保守的」であることの間
樋口 大夢
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 89 巻 1 号 p. 1-13

詳細
抄録

 本稿では、ハンナ・アレントが論じる「非自然的な」性格を有する「自発性」の観点から彼女の教育論の「保守的な」側面と「世界」の刷新をめぐる議論のつながりを検討した。このつながりから導かれるアレントが要請する教育は、「世界」の刷新をもたらす「行為」と「制作」の根底にある力としての子どもの「自発性」を保持する「保守的な」ものとして捉えることができる。「世界」の刷新は、この「自発性」の保持の先に見据えられるのである。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本教育学会
次の記事
feedback
Top