九州病害虫研究会報
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病害
改良DIBA(Dot Immuno-Binding Assay)法を用いた キュウリウイルス病の簡便かつ低コスト診断法
櫛間 義幸
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2017 年 63 巻 p. 1-7

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抄録

一次抗体と二次抗体を同時に混合処理する改良DIBA 法のキュウリ黄化えそウイルス(MYSV)の純化ウイルスの検出限界濃度は0.1μg/ml で,通常のDIBA 法の1/10であったが,検査時間が短縮され有効であった。植物体からの検出感度はDAS-ELISA 法と一致し実用上遜色ない結果であった。同手法はキュウリモザイクウイルス(CMV),キュウリ緑斑モザイクウイルス KGMMV)およびズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)にも適用可能であった。作成した混合抗体液は約1ヶ月間反復利用が可能で,陽性対照をスポットしたニトロセルロースメンブレン(NCM)も長期間反応性を有することが確認された。4種ウイルスの陽性対照と陰性対照をあらかじめスポットした検定用NCM を,それぞれの混合抗体液と組み合わせて使用することでウイルス種を的確に判定することができ,生産現場での迅速なウイルス病診断が可能である。

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