九州病害虫研究会報
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病害
タマネギべと病の卵胞子形成罹病茎葉混和土壌を接種源とした一次感染発病株作出試験法
草場 基章 有田 悠花江下 瑞姫古田 明子田代 暢哉井手 洋一
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2021 年 67 巻 p. 1-8

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抄録
タマネギべと病罹病茎葉を市販培養土に混和して大型プランター内で卵胞子を含む保菌土壌を作製した。その保菌土壌を圃場の畝に重層しタマネギ苗を移植する方法(2019年度実施),および小型プランター内のタマネギ種子を播種した土壌に重層する方法(2020年度実施)で卵胞子の一次感染による発病状況を調べた。保菌土壌は5℃での保管期間の異なる罹病茎葉を用いて6月から10月までの各月に作製し,罹病茎葉の低温保管の発病への影響も調査した。圃場試験では9月作製,小型プランターの試験では8月作製の保菌土壌で,それぞれ19.7%,および8.4% の発病株率が得られた。一方,どちらの試験も他の月に作製した保菌土壌では最高でも3.7% で発病株率は低かった。罹病茎葉の保管期間と発病株率に明確な関連は認められず,一次感染時の発病株率の違いは保菌土壌作製時期の違いによる気温の差異がもたらした可能性が示唆された。
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© 2021 九州病害虫研究会
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