抄録
保健施設で働く介護職員のベッド上おむつ交換時の姿勢をみると,両下肢を床に接地したままの方法と一側下肢をベッド上にあげて行う方法があり,姿勢を分析した.普段の方法のおむつ交換動作をビデオカメラで記録し,動画をコンピュータに取り込み,画像解析ソフトで解析した.各人の計測値は時間経過(秒)と座高に対する割合(%)で示した.おむつ交換時の頭部の高さの変化を座高に対する頭部の高さの割合で10%毎に分類し,秒数で表示した.次に,各人の頭部の位置が各人の座高の1/2以下になった時間をおむつ交換の時間で割り,時間率(%)を求めた.姿勢の違いで2群に分け,統計学的分析を行った.検定にはMann-Whitney U-testを用いた.その結果,有意確率が0.025であった.次いで,ベッド上おむつ交換を行う際に両下肢を床に接地して行うものを対象に,ベッドの高さとおむつ交換動作時の頭部の高さの関連性について時間率で調べた.各人の身長とベッドの高さから,身長に対するベッド高(%)を求め,上記の時間率との回帰分析を行った.その結果,y= -5.4896x + 227.91であり,R2 = 0.7244であった.