ラテンアメリカ・レポート
Online ISSN : 2434-0812
Print ISSN : 0910-3317
論稿
メキシコ自動車産業におけるNAFTA再交渉とその影響 ――日系企業を中心に――
内山 直子
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー HTML

2019 年 35 巻 2 号 p. 55-69

詳細
要約

本論文では、2017年7月に開始された北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉過程と2018年11月30日に合意文書に署名された米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の合意内容およびその影響について、メキシコ自動車産業を中心に考察する。メキシコでは、2012年以降、自動車関連産業を中心に日系企業の進出が相次ぎ、その後5年間で進出企業数が2倍に増えた。しかし2016年以降はその伸びが鈍化し、トランプ政権以降は様子見の様相を呈していた。そのようななか、2018年8月末に公表されたUSMCAの合意内容は、NAFTA消滅は回避されたものの、自動車分野においてメキシコ側が譲歩し、米国の要求がほぼそのまま実現されたかたちとなった。その背景には何があったのか、また、今後のメキシコ自動車産業におけるUSMCAをめぐる議論について、各種現地報道および2018年8月の現地調査の結果も踏まえて検討する。

はじめに

北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement:以下、NAFTA)は、世界で初めての先進国と途上国の間で結ばれた自由貿易協定としてよく知られており、米国・カナダ・メキシコ3国間で1994年1月1日に発効した。メキシコにとっては1982年の債務危機以降実施されてきた一連の新自由主義的経済政策の帰結ともいえるもので、さらなる経済自由化による経済発展推進の意志を国内外に示すものでもあった。NAFTAの枠組みにおいては、発効と同時に米国のメキシコからの輸入の84%、メキシコの米国からの輸入の43%にあたる品目で関税が即時撤廃され、10年後には両国間の貿易の99%が、そして15年後にはすべての貿易品目において関税が撤廃されることが取り決められた[田島2006]。

また、NAFTAの特筆すべき取り決めに原産地規則がある。とくに、自動車産業においては域内付加価値が62.5%以上(乗用車、ライトトラック1)という厳しい原産地規則が存在しており[田島2006]、これが安い労働力とともに北米への自動車輸出基地として日米欧の自動車メーカーがメキシコでの生産を拡大させてきた要因であり、メキシコ自動車産業の成長 の原動力であった2。とくに、2012年以降はマツダのメキシコ進出を皮切りに、数多くの日系自動車関連企業がメキシコに相次いで進出し、バヒオ地域と呼ばれるメキシコ中西部は日系自動車産業の一大集積地へと変貌した。

ところが、2017年1月にトランプ大統領が就任すると状況は一変する。選挙キャンペーン中から何かにつけメキシコを名指しで批判してきたトランプ大統領は、米国の貿易赤字の原因はNAFTAにあるとし、カナダ・メキシコに対しNAFTAの見直しを要求した。これを受け、2017年8月から3カ国での交渉が開始されたが、3国の溝は埋まらず、2018年6月以降は米墨2国間交渉へと場を移すこととなった。2018年7月のメキシコ大統領選を経て、8月末に2国間合意に至る。その後、米国とカナダもぎりぎりの交渉を続け、9月末に妥結、3国間でそれまでのNAFTAに代わる新協定、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が締結されることとなった。しかし、公表された合意内容は、とくに自動車産業においては乗用車・ライトトラックの域内付加価値が現行の62.5%から75%に引き上げられるなど、米国の要求が事実上認められた、日系メーカーにとっては大変厳しいものであった。

本論稿では、最終的にメキシコが自動車産業において米国に譲歩した経緯とその背景を筆者が2018年8月に行った現地調査と各種報道等から検討するとともに、USMCAが今後のメキシコ自動車産業および進出日系企業に与えうる影響を考察する。第1節では、NAFTA再交渉プロセスを概観する。第2節では、2012年以降のメキシコにおける日系自動車関連企業の進出ブームについてまとめる。第3節では、USMCAの合意内容について自動車産業を中心に検討するとともに、メキシコ経済、米国経済および日系自動車企業への影響を分析する。

1. NAFTA再交渉プロセス

2017年7月、米国・カナダ・メキシコ3国の通商代表がNAFTAを21世紀の現状に見合った協定にする、いわゆる「現代化(modernization)」をめざして再交渉プロセスを開始することに合意し[El Economista, 22 de agosto de 2018]、翌8月に実際のNAFTA再交渉プロセスが開始された。その後、2018年4月末までに8回の交渉ラウンドが実施される。とくに、第3ラウンド以降は最大の懸案事項ともいえる自動車産業をめぐる原産地規則が具体的な議題に上ったが、WTOのルールに反するような要求を繰り出す米国側とWTOルールを尊重する立場を貫くカナダ・メキシコ側で対立し、交渉は難航した。おもな争点については表1にまとめた。メキシコは3国交渉ラウンドではカナダとともに米国の要求をはねのけ、WTOルール尊重の立場を明確にしていた3ため、交渉は長期化するとの見通しが大勢を占めていた。

(出所)Villarreal and Fergusson [2018]、JETRO [2018b] および各種報道に基づき筆者作成。

2018年5月17日に(中間選挙前の)当時の米国議会のもとで新NAFTA批准が可能となる期限が到来し、トランプ大統領は6月1日に、今後は2国間での交渉に切り替えることを宣言した[El Economista, 4 de julio de 2018]。まず、米墨2国間交渉が開始され、ワシントンDCで交渉団が常時滞在して事務レベルや閣僚レベルの会合を行う「パーマネント・ラウンド」において、技術的な部分や自動車部門の原産地規則問題、特定の季節にだけ一部のメキシコ産農産物の輸入を制限する季節農産品問題、紛争解決条項(19章)廃止、5年ごとに協定を見直し、加盟国間の合意がなければ自然消滅するといういわゆる「サンセット条項」4の導入といった争点について話し合いが続けられた[El Economista, 22 de agosto de 2018]。

2018年7月1日の大統領選挙でアンドレス=マヌエル・ロペス=オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)が勝利して以降、ロペス=オブラドールがNAFTA交渉官に指名していたヘスス・セアデ(Jesús Seade)氏5もワシントンDCでの交渉に加わる。ロペス=オブラドール氏は選挙中から表明していたとおり、当選後、NAFTA交渉においてエンリケ・ペニャ=ニエト(Enrique Peña Nieto)政権の路線を引き継ぎ、ペニャ=ニエト政権下での妥結をめざすとした。

2018年8月27日、米墨両政府はNAFTA再交渉について、基本方針に関する暫定合意が成立したと発表した。翌8月28日より、8月末までにトランプ政権による米国議会への通知に向けてカナダがワシントンDCでの交渉に参加した。大統領貿易促進権限法(TPA)の規定により、協定署名90日以上前までに米国議会への通知が必要であり、8月末がメキシコのペニャ=ニエト政権が新合意に署名する事実上の期限となるためであった[El Economista, 22 de agosto de 2018]。

しかしながら、ぎりぎりの9月5日を過ぎても米国・カナダは合意に至らず、米国産の乳製品に対する関税障壁撤廃及び紛争規定(19章)がネックとなっていた。3カ国合意に向けた最終期限とみられていた9月20日を過ぎ、協定の内容を署名の60日前までに公開しなければならないとする大統領貿易促進権限法(TPA)の規定に基づき、米墨2国間協定案として9月28日、米国議会およびメキシコ上院に提出された[El Financiero, 28 de septiembre de 2018]。同案には、後にカナダも追加する余地を残していた[El Financiero, 28 de septiembre de 2018]。しかしながら、見通しは立たず、メキシコ政府はこの時点でカナダ抜きの米墨2国間協定であっても締結する旨を表明していた。一方で、両国の議会および産業界ではあくまで3国協定を望む声が強く、法案成立も不安視されていた[El Financiero, 12 de septiembre de 2018]。

その後、9月30日深夜に米国とカナダは合意に至った。カナダは乳製品市場を米国に開放することに同意する代わりに、米国は紛争解決条項(19章)に変更を加えないことで譲歩した[Correo, 12 de octubre de 2018]。新協定は、「米国・メキシコ・カナダ協定(United States-Mexico-Canada Agreement : 以下、USMCA)」としてペニャ=ニエト政権最後の日である11月30日、アルゼンチンのG20会合の折に3カ国首脳により署名された。

2. メキシコにおける日系自動車産業

メキシコは2010年以降、インドとともに新たな世界の自動車生産拠点として急成長を遂げている。表2のとおり、2017年の生産台数は407万台と生産台数でブラジルを抜き、インド、韓国に次ぐ世界第7位の生産国である。2012年のマツダの進出を皮切りに、日系自動車産業の進出や新工場建設が、とくにメキシコ中西部のバヒオ地域で相次いでおり、日本とメキシコのビジネス関係は未だかつてない活況を呈している。2019年の稼働をめざし、トヨタも同地域に新工場を建設しており、トヨタの本格的進出は、日系企業のみならずメキシコ現地からも大きな期待が寄せられていた。

(出所)国際自動車工業連合会(OICA)(http://www.oica.net/category/production-statistics/2017-statistics/)より筆者作成。

(注)大型バス・トラックは含まない。

表3はメキシコにおける完成車メーカーおよび2017年の生産台数をまとめたものである。日産が約83万台を生産し、メキシコ国内で最大のシェアを占める(21.1%)。日産、ホンダ、トヨタ、マツダの日系4社の合計生産台数は133万台(シェア34%)に上り、米国系メーカーとともにメキシコ自動車生産において重要な位置を占めている。

(出所)INEGI, Registro administrativo de la industria automotriz de vehículos ligerosより筆者作成。

図1は、メキシコ経済省が公表しているメキシコに進出する外資企業情報に基づき、この10年の日系企業進出数をグラフにしたものである6。この間、メキシコの日系企業数は2011年を境に470社(2011年)から923社(2017年)へと短期間で倍増した。また、同図からは同期間の進出企業増加は首都圏以外への日系企業進出(2011年の257社から2017年の598社に倍増した)によるものであることがわかる。さらに、首都圏以外の中でもとくにメキシコ中西部のバヒオ地域(アグアスカリエンテス州、グアナファト州、ハリスコ州、ケレタロ州、サン・ルイス・ポトシ州)に新規企業が集中していることがわかる。これは、同時期の進出企業のほとんどが自動車関連企業であり、マツダ、ホンダ、日産の工場があるバヒオ地域で一気に日系自動車産業の集積が進んだことがデータからはっきりと確認される。そのなかでもとくに日系企業の進出が著しかったのがマツダ、ホンダの工場をもつグアナファト州である。2010年末には13社しか存在していなかったのが、2015年末には130社とたった5年で実に10倍に増加している(表4)。

(出所)Secrretaría de Economía, Sociedades Mexicanas con Inversión Extranjera en su Capital Social. (https://datos.gob.mx/busca/dataset/registro-nacional-de-inversiones-extranjeras-rnie)

(注)首都圏にはメキシコ市およびメキシコ州が含まれる。

(出所)Secrretaría de Economía, Sociedades Mexicanas con Inversión Extranjera en su Capital Social. (https://datos.gob.mx/busca/dataset/registro-nacional-de-inversiones-extranjeras-rnie)

(注)データは2018年7月末現在。日産など、第1位の出資国が日本以外である企業は含まれない。

しかし、2016年以降、トランプ大統領の登場で北米市場の動向が不透明になったことなどを受け、日系企業の進出ペースは月2〜3件ほどと落ち着きをみせている7。一方で、これまでの急激な日系自動車産業進出の背景には、米国および南米への輸出拠点としての優位性というポジティブな側面のみならず、メキシコの地場産業の弱さにより、裾野産業までも日系企業に頼らざるを得ないという負の側面も反映していることに留意しなければならない。USMCAおよび米国の動向に加え、以前から指摘されていた鉄道・道路・港湾等のインフラ不足及び麻薬に関連する治安悪化もまた、今後のメキシコでの自動車生産における関係者の懸案事項である。

メキシコ自動車産業最大の問題点のひとつとして、完成車メーカー数や生産台数に比して部品サプライヤー数が極端に少ないことが各所で指摘されている。Carillo[2018]の推計によれば、メキシコ国内には完成車メーカーが13社あるのに対し、完成車メーカーに直接部品を供給する一次サプライヤーであるティア1が600社、その下のいわゆる二次・三次下請けに当たるティア2, 3の部品サプライヤーは1800社から2000社にとどまる。さらに、星野[2014]やCarillo[2018]によれば、メキシコの地場サプライヤーはそのうちの3割程度にとどまり、大半が外資系企業で構成される8。星野[2014]によれば、輸入代替工業化期に存在していたメキシコの自動車関連地場企業は、1980年代以降の経済自由化政策の過程でそのほとんどが淘汰されてしまったのである。その結果、メキシコ製部品は価格が高く、品質が悪い[星野2014]うえにアフターサービスにも不安があり9、日系メーカーを頂点とする現地サプライチェーンの構築に事実上支障をきたしているといえる。

さらに、日系企業に限らず自動車関連産業の進出ラッシュが続くバヒオ地域(とくにグアナファト州)では、人材確保が極めて困難な状況にある。管理職ポスト・工場労働者ともに離職率が高止まり(少しでも賃金の良い職場に次々と転職)し、職場に定着しない傾向が強く、現地日系企業幹部にとって頭の痛い問題となっている。先述の品質の割に高い地場製品、高止まりする賃金にインフラ不足や治安悪化による輸送の追加的コストを加えると、メキシコ現地生産には予想以上のコスト負担がリスク10として企業に付きまとう。

星野[2014]や中畑[2018]でも指摘される上述の現地サプライチェーン構築に関する議論は別の機会に譲り、次節以降ではUSMCAの合意事項とその影響に焦点を当てて検討する。

3. USMCAにおける米墨合意事項とその影響:自動車産業を中心に

(1) 自動車産業に関する合意内容

2018年8月27日に発表されたNAFTA再交渉の米国・メキシコ間のおもな合意事項は以下であった。自動車産業の無関税輸出の条件として、(1) 乗用車・ライトトラックの域内付加価値を現行の62.5%から75%(ネットコスト方式)に引き上げる11、(2)「スーパーコア」に指定された7品目(エンジン、トランスミッション、車体・シャーシ、駆動軸・非駆動軸、サスペンション、ステアリング、リチウムイオン電池)は原則域内原産とし、かつネットコスト方式で75%の原産地規則を満たすこと、(3) 乗用車の40%およびトラックの45%の付加価値は労働者の賃金が時給16ドル以上の地域で付けられること、(4)完成車メーカーが購入する鉄鋼、アルミ、ガラスの70%は北米産を使用することと定められ、当初米国側が主張した域内付加価値比率85%からは下げられたものの、メキシコ側が大きく譲歩した結果となった。これらの新しい規則は、2020年にUSMCAが発効すると仮定した場合、3年の移行期間が設けられ、4段階を経て段階的に実施される[El Economista, 7 de septiembre de 2018; JETRO 2018c]。

さらに、USMCAでは、NAFTAで採用されていたトレーシング・ルールの廃止も決まり、これまでトレーシング・ルールの恩恵を受け原産地規則を満たしていた企業にとっては見た目の数字以上に厳しいものとなった。トレーシング・ルールとは、NAFTAの域内原産割合を計算する際に、トレーシング対象部品リスト(Annex 403.1)記載のHSコードに含まれる約80品目のみを非原産材料価額の計算に入れれば良いというルールである。鋼材や樹脂などの素材、ボルトやナットなどの汎用部品等はリストから除外されていた[JETRO 2018ª]。したがって、メキシコ自動車工業会(AMIA)部工会(INA)等関係者によると、NAFTAで規定されていた域内調達率62.5%はネットコスト方式で計算した場合、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP、またはTPP11)とほぼ同率の45%程度に相当するといわれる12

一方、米国が強硬に主張していたNAFTAの自動失効を可能とする「サンセット条項」は、「期間を16年と定め、6年ごとに加盟国間で見直しを行う」13と米国が一定程度譲歩するかたちとなった。これにより、メキシコ側としては、NAFTAの枠組み維持に成功し、メキシコ経済の生命線といえる外国投資の引き留めが可能となった。農業関連については、特定時期にメキシコからの輸入を一部制限する季節条項は盛り込まれず、現状維持となった。これら2点においてはメキシコ側が交渉に勝利したといえるだろう。

また、USMCA協定合意文書に添付されたサイドレターにおいて、トランプ大統領が米国の安全保障を理由に輸入品に関税を課す根拠としている1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づき、自動車・同部品への追加関税を発動する場合、メキシコとカナダからの輸入については、ライトトラックと年間260万台までの乗用車の関税賦課を対象外とすると約束している。自動車部品については、メキシコからの輸入は年間1080億ドルまで、カナダからの輸入は324億ドルまでを対象外としている[Business Insider, November 30, 2018]14。ただし、USMCA合意後も米国による鉄鋼とアルミニウム製品に対する25%の関税は維持される見通しである[CBC News, November 30, 2018]15

(2) USMCAの予想される影響

① メキシコの場合

USMCAの新たな自動車関連規則に関し、メキシコ側(とくに政府関係者)は総じて楽観的な見通しを示しているようである。現政権のNAFTA再交渉責任者でもあるイルデフォンソ・グアハルド(Ildefonso Guajardo)経済相をはじめとする政府高関係者は一様に、約70%の自動車生産が現時点でUSMCAの新基準を満たしていると述べている。ホセ=アントニオ・ゴンサレス=アナヤ(José Antonio González Anaya)財務相はフィナンシャル・タイムズとのインタビューの際に、基準を満たさない場合でも2.5%関税率で輸出することが可能であり、問題は回避されると述べている[El Financiero, 12 de septiembre de 2018]。また、ロペス=オブラドール政権のNAFTA交渉責任者であるセアデ氏は、新聞のインタビューにおいて新しい原産地規則はメキシコの自動車産業にとってのチャンスになると述べている。その理由として、生産の40%を時給16ドル以上にする規定は、長期的にはメキシコ労働者の賃金上昇につながることが期待されることに加え、USMCAはメキシコが自動車組み立て国としてさらなる技術開発と投資を呼び込む機会になるだろうと述べている[Vanguardia, 4 de octubre de 2018]16

さらに、USMCAに関する世論調査を行ったエル・フィナンシエロ紙によると、29%がUSMCAはメキシコに利益をもたらす、11%がメキシコに不利益をもたらすと答えている一方、最も多い44%がUSMCAによってメキシコの状況は変わらないと回答している。さらに、注目すべきは、半数以上の回答者がUSMCAによって雇用増加、賃金の上昇、投資増加が見込めると考えていることである。各項目でそれぞれ55%、51%、50%が状況改善(増加)を見込んでいる一方、33%、31%、36%が現状維持と回答し、状況が悪化するだろうと回答したのはそれぞれわずか7%、12%、9%にとどまっている[El Financiero, 9 de octubre de 2018]。

こういったメキシコ国民の期待の背景として、汚職と治安状況の悪化と停滞する経済に失望した国民が、既存政党批判と改革を訴え、次期政権の6年間で経済成長年率平均4%(現在は2%強)を実現すると公約するロペス=オブラドール政権に大きな期待を寄せていることがあげられよう。また、ロペス=オブラドール氏は最低賃金について、2019年1月1日付で北部国境州にて2倍にするとともに、政権期間中には全国で2倍を実現すると公約している[El Economista, 12 de septiembre de 2018]ことも国民の賃金上昇期待につながっているといえるだろう。ロペス=オブラドール氏はすでに現行の最低賃金(約90ペソ/日)を108ペソに引き上げることを公言している。ただし、メキシコの現在の最低賃金は現実を反映したものではなく、日系自動車工場では最低賃金の3倍程度の賃金を以前から支払っており、ロペス=オブラドール氏の政策の影響がすぐに各企業の賃上げ圧力につながることはないと在メキシコ関係者は見ている模様である17

② メキシコに進出している日系企業の場合

USMCAの合意内容が明らかになると、日本でも連日報道され、とくに自動車の原産地規則引き上げに関して「生産体制の見直しが必要になる」との完成車メーカーのコメントが新聞報道などで紹介され、全般に悲観的な論調が展開された。しかしながら、USMCAのサイドレターで取り決められたとおり232条の追加関税が課されない場合、米国の乗用車に対する関税率は2.5%であるため、たとえ原産地規則を満たせず、USMCAによる無税枠が利用できなくても乗用車の場合、関税負担は大きくない18。メキシコ政府関係者も一様に2.5%の関税を払ってアメリカに輸出すれば事実上問題はないとの見方を示している19

他方、ピックアップトラックの関税率は25%と高いが、トラックについては北米からの部品調達が多いため、新規則を達成してUSMCAを利用できる可能性が高い。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)のデータによると、トヨタの「タコマ」も含め、現在メキシコから対米輸出されているすべてのピックアップトラックについて米国カナダ部品調達比率は45%を超え、メキシコでの調達分を含めると平均81%に達し、すでに新たな原産地規則基準である75%を超えている[『JETROビジネス短信』2018年8月29日]。

③ 米国の場合

USMCAの新しい原産地規則で最も被害を受けるのは結局のところ米国国民であるといわれている。エコノミスト誌は、新しい原産地規則は結果としてアメリカの生産性の低下、消費者への価格転嫁、さらには北米全体の自動車産業の競争力の低下を招くとコメントしている[Economist, August 30, 2018]。また報道によれば、全米製造業協会(NAM)は、結局は米国人の製造業労働者の利益を損ねることになり逆効果だと述べているほか、USMCAの新規則に支持を表明しているのは全米自動車労働組合(UAW)、全米鉄鋼労働組合(USW)等3団体にすぎない[El Economista, 24 de agosto de 2018]という。2018年11月15日、16日には米国際貿易委員会(USITC)がUSMCAに関する公聴会を開催し、米国自動車業界の主要団体が証言を行った。米系完成車メーカーが加盟する自動車政策会議(AAPC)会長は「新たな原産地規則は課題も多いが対応可能である」[Bloomberg, November 16, 2018]20と一定の評価をする一方で、232条に基づく鉄鋼・アルミ製品への追加関税は自動車生産1台あたり約400ドルのコスト上昇をもたらしており、この追加関税が自動車産業全体ひいては米国経済全体に与えるマイナスの影響はUSMCAの効果を消し去りかねないと警告する[CNN, November 15, 2018]21。他方、トヨタやヒュンダイが加盟する世界自動車メーカー協会(AGA)や、フォルクスワーゲンやBMWが加盟する米国自動車工業会(AAM)は、新しい原産地規則は「不必要に煩雑であり、高コストかつ余計な投資を伴うサプライチェーン変更を要求するものであり」(AGA)、「結果として米国産の自動車や部品の需要減少により、米国の生産と雇用を減少させる」(AAM)と指摘する[Bloomberg, November 16, 2018]。さらには、米国自動車部品工業会(MEMA)は、232条に基づく鉄鋼・アルミ製品への追加関税によりすでに米国の中小企業がコスト負担を強いられ、国際競争力を失いつつあるとして、メキシコおよびカナダへの232条適用除外を強く訴えており22、既にトランプ政権による保護主義の弊害に米国企業が苦慮していることが伺える23

表5はCenter for Automotive Research (CAR)が2018年7月に発表した通商拡大法232条の米国経済へのインパクトを試算した結果である[JETRO 2018b]。米国がメキシコ・カナダ以外の国・地域に対しそれぞれ25%または10%の関税をかけた場合を想定している。表によれば、いずれの関税を課した場合でも米国内の小売価格は国産車・輸入車ともに上昇し、販売台数は完成車のみに25%の関税をかけた場合で約90万台、完成車および部品に25%の関税をかけた場合には約122万台減少すると試算されている。その結果、米国の雇用全体は完成車のみに25%の関税をかけた場合で約9万人、完成車および部品に25%の関税をかけた場合には約20万人減少し、それぞれGDPを101億ドルおよび153億ドル減少させるという。

(出所)JETRO[2018b]を筆者修正。

(注)メキシコ・カナダ以外にそれぞれの関税をかけた場合を示す。

11月の中間選挙の結果を受け、トランプ大統領は今後ますます極端な政策を実施するだろうと予想されている[『日本経済新聞』 2018年11月8日]。同時に、中間選挙に照準を合わせて実施した各種減税による景気刺激策の効果が消滅するに従い、関税による物価上昇が顕在化し、トランプ大統領が再選を狙う2020年には米国経済は厳しい局面を迎えるとも指摘されている[『日本経済新聞』2018年11月10日]。USMCAを含む米国の保護主義政策がいつまで続くかはトランプ大統領の再選を含めた任期次第であるが、トランプ大統領支持派の期待が失望に変わるのもそんなに遠い未来ではないかもしれない。

(3) なぜメキシコは自動車産業に譲歩したのか

一時期は膠着状態に陥っていたNAFTA再交渉であったが、数カ月間の米墨2国間交渉を経ていわば急転直下に決着をみた。蓋を開けてみれば、メキシコが自動車産業関連に大きく譲歩することによって、サンセット条項での米国の譲歩を引き出し、NAFTA枠組み維持を勝ち取った形となった。その背景事情を整理してみたい。

まず、7月にメキシコで、ペニャ=ニエト大統領率いる与党・制度的革命党(PRI)が大統領選のみならず、下院選挙や地方選挙でも軒並み大敗を喫し、11月末の任期満了に向けペニャ=ニエト政権は完全にレームダック化した。ロペス=オブラドール次期大統領にとっても、NAFTA交渉においてはペニャ=ニエト政権の路線を引き継ぐと明言しながらも、自身の就任前に妥結させておけばすべてを前政権のせいにして批判をかわすことができる24。一方、トランプ政権も11月の中間選挙に向けて成果を得たいところであった。したがって、11月末のペニャ=ニエト政権任期満了までに、同政権最後の成果として合意を成立させることは3者の政治的利益にかなうことであったといえる。

メキシコにとって死守するべきは、投資をつなぎとめるためにNAFTA消滅を何としてでも避けることであった。また、交渉が長引くにつれ、日系企業を含めた産業界からは、(たとえ条件が厳しくとも)早く方向性を決めて欲しい25との声が強くなっていた。筆者の見る限りでは、ロペス=オブラドール新政権の交渉担当官であるセアデ氏がNAFTA交渉団に加わって以降、ロペス=オブラドール新政権の意向がかなり強く働いていたのではないかと推測される。合意に向け大詰めの時期であった8月22日には、重要な交渉の席にいたメキシコ側の高官(事務方を除く)はセアデ氏ひとりであったとの新聞報道も出ている[El Economista, 22 de agosto de 2018]。

そのロペス=オブラドール大統領については、選挙キャンペーン時からマヤ観光鉄道建設やメキシコ南部の道路整備や新たな精油所建設などを公約とし、メキシコ国内で最も貧困率の高い南部地域の観光振興や農業振興を明らかに重点政策としている。事実、USMCAにおいて農業関連規則は米国からの譲歩を引き出し、現状維持を勝ち取っている。また、先述のようにロペス=オブラドール氏は賃金引き上げも公約としており、北部地域での賃金の上昇は経済的理由による米国への不法移民の減少につながる等の発言もある[Vanguardia, 11 de julio de 2018]。よって、産業界の意向を反映させていたペニャ=ニエト政権と比べ、ロペス=オブラドール氏は自動車産業について米国の要求を飲むことにそれほど抵抗はなかったのではないかとも推測できる。

おわりに

本稿では、日系企業を中心としたメキシコ自動車産業に焦点を当て、NAFTA再交渉の過程をふまえたうえでUSMCAの合意内容とその予想される影響について、2018年8月に筆者が行った現地調査および各種報道などをもとに検討した。NAFTA自体の消滅という最悪の事態は避けられたものの、USMCAにおける自動車関連規則は米国の要求がほぼ実現されたかたちとなった。とくに日系メーカーにとっては、USMCAの特恵関税を利用するためには生産体制の見直しを迫られるという、大変厳しい合意内容である。その一方で、協定合意文書のサイドレターでは、数量制限内においてメキシコ・カナダに対し232条は適用しないことを取り決め、メキシコ産の乗用車に関しては2.5%の関税が保証された。トレーシング・ルールも廃止となった今、2.5%の関税を払ったうえで輸出する方が短期的利益にはかなうのかもしれない。

一方、本稿で取り上げたUSMCAや対中貿易摩擦をはじめとするトランプ政権による一連の保護主義政策は、各種報道やUSMCA公聴会での関連団体が指摘しているように、米国製造業の生産性を低下させ、生産コストの上昇が消費者へ転嫁されることにより中長期的には米国経済の停滞が予想される[『日本経済新聞』2018年11月8日、同10日、同18日]。トランプ大統領が再選されるか否か今後の鍵となるものの、いずれ現在の米国の保護主義政策に終わりがくることは想像に難くない。現在の日系企業にとってのメキシコの最大のメリットはNAFTAと安価な労働力であるが、この2つの要因がこれから変化したとしても、地理的利点や人口ピラミッドといった点においてメキシコに代わる国は見当たらない26のもまた現実である。

また、星野[2014]や中畑[2018]が指摘するように、アジアと比較するとメキシコの自動車産業サプライチェーンは未発達なままである。サプライチェーンの構築には、これからまだ最低でも5年から10年はかかる27と関係者はみており28、進出企業にはUSMCAに左右されない長期的なメキシコ戦略が不可欠である。トランプ以後の北米経済の動向を見据え、地場サプライヤーの育成を含むメキシコでの生産体制をどのように構築して行くのか、改めて腰を据えた経営ビジョンが求められる。

本文の注
1  ライトトラックとは、米国の自動車車種の総称で、SUV、バン、ピックアップトラックが含まれる。

2  筆者が2018年8月に行った現地調査では、日系自動車メーカー関係者が揃ってメキシコへの進出理由としてNAFTAと労働賃金の安さを挙げていたほか、ジェトロのビジネス調査等でも同様の結果が得られている[中畑2018]。メキシコの賃金は2014年水準で製造業月給が316ドルであるのに対し、ブラジルは同1012ドル、アルゼンチンで同1375ドル、ペルーで同464ドルなど、他のラテンアメリカ諸国と比較して圧倒的に低く、またタイ(同363ドル)、中国(同413ドル)などアジア諸国と比較しても低水準にある[JETRO 2016]。ペニャ=ニエト前政権も積極的な外資系企業誘致のために最低賃金を低く抑える政策をとっていた。

3  ジェトロ・メキシコ事務所中畑貴雄氏インタビュー、2018年8月13日、メキシコ市にて。

4  サンセット条項は本来ビジネス用語で、定期的に買収防衛策や種類株式の内容や導入の是非を株主総会等で見直す条項のことである。

5  セアデ氏はメキシコ大学院大学(Colegio de México)で修士号、オックスフォード大学で経済学博士号を取得し、内外の大学のほか、WTO、IMF、世界銀行等国際機関での勤務経験も豊富な人物である。セアデ氏がワシントンでの交渉に参加して以降、グアハルド経済大臣と同等にメディアでの取材を受け、その発言が随時報道されていた。交渉妥結に向け、メキシコ交渉団の中でキーパーソンになっていたことが伺える。

6  ただし、本データは企業の国籍を出資額の最も大きい国のみで分類しているため、外国資本が1位を占める日産など一部の企業が含まれない。そのため、実際にはメキシコに進出する日系企業は、在メキシコ日本大使館の推計によれば1182拠点に上る[JETRO 2018a]。

7  メキシコ日本商工会議所バヒオ支局藤山仁子氏へのインタビュー、2018年8月16日、グアナフアト州イラプアト市。

8  2010年時点でブラジルのサプライヤーの61%が現地資本100%または過半、タイではティア1の53%が現地資本100%または過半であるうえ、ティア2、ティア3の地場企業が約1700社存在するという[星野2014]。

9  日系自動車関連企業Sumino Textile Mexico社諏訪和晃氏へのインタビュー、2018年8月24日、グアナフアト州イラプアト市。

10  同上。

11  ネットコスト(純費用)方式とは、総費用から販売促進・アフターマーケット関連経費等を控除した計算方式である。

12  ジェトロ・メキシコ事務所中畑貴雄氏へのインタビュー、2018年8月13日、メキシコ市。

13  6年間の見直し期間中に合意すれば、さらに16年間延長できる。また、仮に6年後に合意に達しなかった場合は、当初から16年の間は合意に達するまで3カ国間で毎年見直しが行われる。

14  Business Insider, “The US, Canada, and Mexico's Newly Signed Trade Pact Looks a Lot Like NAFTA. Here Are the Key Differences between Them.” (https://www.businessinsider.com/us-canada-mexico-trade-deal-usmca-nafta-details-dairy-auto-dispute-resolution-2018-10), 2018年12月2日アクセス。

15  CBC News, “‘Battle’ over as Trudeau, Trump, Pena Nieto Sign ‘New NAFTA’”(https://www.cbc.ca/news/politics/usmca-nieto-trudeau-trump-signing-1.4926961), 2018年12月2日アクセス.

16  ロペス=オブラドール氏は、経済振興策(plan de desarrollo integral)の一環として、2019年1月1日付で北部国境州の付加価値税(IVA)を現行の16%から8%へ、法人所得税(ISR)を30%(最高税率)から20%へ引き下げると表明している[El Economista, 12 de septiembre de 2018]。

17  ジェトロ・メキシコ事務所中畑貴雄氏へのインタビュー、2018年8月13日、メキシコ市。

18  同上。

19  JICAメキシコ自動車産業クラスター振興プロジェクトチーフアドバイザー上島篤志氏へのインタビュー、2018年8月23日、ケレタロ州ケレタロ市。

20  Bloomberg, “New North American Trade Deal Will Add to Costs, Automakers Warn,” November 16, 2018. (https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-11-15/new-north-american-trade-deal-will-add-to-costs-automakers-warn)

21  CNN, “Democrats Signal Concerns on NAFTA Replacement,” November 15, 2018. (https://edition.cnn.com/2018/11/15/business/new-nafta-usmca-hearing/index.html

22  “Testimony of Ann Wilson, Motor & Equipment Manufacturers Association before the U.S. International Trade Commission Public Hearing on UnitedStates-Mexico-Canada Agreement,” November 15, 2018(https://www.usitc.gov/press_room/documents/testimony/105_003_003.pdf)2018年12月18日アクセス。

23  USMCA署名間近の11月26日、ゼネラル・モーターズ(GM)がEV車などへの経営資源投入のため、人員削減・販売減少車種の減産などの北米事業再編策を発表し、トランプ政権による一連の関税措置は「向かい風」のひとつとの見方を示した[ロイター, 2018年11月26日, https://jp.reuters.com/article/gm-slash-job-idJPKCN1NV2CN, 2018年12月1日アクセス]ものの、実際には鉄鋼やアルミなどの原材料費が高騰しているためだという[『日本経済新聞』2018年12月2日]。

24  バヒオ地域の日系企業を顧客とするメキシコ系コンサルタント企業PRODENSA社川村宣人氏へのインタビュー、2018年8月17日、グアナファト州シラオ市。川村氏はバヒオ地域におけるジェトロ中小企業海外展開現地支援コーディネーターも兼務する。

25  日系自動車関連企業M社K氏へのインタビュー、2018年8月27日。

26  日系自動車関連企業Sannohashi Manufacturing Mexico社久保田博文氏へのインタビュー、2018年8月21日、グアナファト州シラオ市。

27  星野[2014]は、メキシコ系部品メーカーの経営組織は「テイラー主義」(言葉の通じない移民労働者を前提としたフォード生産方式)であるため、日本的生産方式と相性が悪いことを指摘している。テイラー主義の特徴は組織内で頭脳労働と肉体労働が分離しており、生産現場の労働者に考えることは期待されず、要求されるのは管理部門の指示通りに作業を遂行することである。そのうえにメキシコ社会特有の権威主義的上下関係も付け加わるという[星野2014]。

28  前出のPRODENSA社川村氏およびSannohashi Manufacturing Mexico社久保田氏へのインタビューに基づく

参考文献
  • JETRO 2016.「メキシコ自動車セミナー」JETROメキシコ事務所資料、2016年8月.
  • JETRO 2018a.「メキシコの最新情勢とNAFTA再交渉」中南米ビジネスセミナー(ブラジルサンパウロ)資料、JETROメキシコ事務所、2018年3月.
  • JETRO 2018b.「メキシコ経済の最新動向と大統領選挙・米国通商政策のメキシコへの影響」JETROメキシコ事務所資料、2018年7月.
  • JETRO 2018c.「USMCAの合意内容と自動車産業への影響」カマラ地方交流委員会資料、JETROメキシコ事務所、2018年10月.
  • JETROビジネス短信:https://www.jetro.go.jp/biznewstop/biznews/
  • 田島陽一 2006.『グローバリズムトリージョナリズムの相克:メキシコの開発戦略』晃洋書房.
  • 中畑貴雄 2018.「依然として進出余地が大きいメキシコの自動車部品産業」JETRO地域分析レポート、2018年3月. https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2018/967ca4725be5ccc0.html (2018年3月19日アクセス)
  • 星野妙子 2014.『メキシコ自動車産業のサプライチェーン:メキシコ企業の参入は可能か』アジア経済研究所.
  • Carrillo, Jorge 2018. “Strength and Challenges of the Automotive Sector in Mexico: Trump vs New Technologies,” Seminar at Hitotsubashi University, June 27, 2018.
  • Villarreal, M. Angeles, and Ian F. Fergusson 2018. “NAFTA Renegotiation and Modernization.” Congressional Research Service, No. R44981, July 26, 2018. https://fas.org/sgp/crs/row/R44981.pdf(2018年12月19日アクセス).
 
© 2019 日本貿易振興機構アジア経済研究所
feedback
Top