AGRIBALYSEは農業製品のライフサイクルインベントリ(LCI)作成を目的としたフランスのプログラムである。本プログラムでは、環境ラベル政策とその農業部門における実践の支援のために、広くコンセンサスの得られるLCA手法の構築と、フランス農業製品の均質なLCIデータベースの提供に焦点を当てている。150の農業製品LCIが搭載されたAGRIBALYSE v1.3データベースは、計算ツール「MEANS-InOut」とともに2017年から利用可能となった。共同開発者がデータベースの改善や拡張に取り組んでおり、その課題の一つが、ユーザーの多様なニーズ(個別の農業システムから食生活の評価まで)を考慮しデータベースの適切な精度を定めることである。現在、農場段階から食品産業段階までデータベースの対象を広げることを計画しており、これによって食品のライフサイクル段階を網羅することができる。ADEME(フランス環境エネルギー管理庁)は、企業やサプライチェーンの戦略に環境パフォーマンスがより一層取り入れられるよう、今後、食料分野におけるエコデザインのアプローチを促進することに重点的に取り組む。本プログラムを通して、フランスは食料分野におけるLCAの発展とベンチマーキングの国際的な取り組みに貢献する。本プログラムでの経験を踏まえ、国家LCIデータベースが持続可能性への挑戦に貢献することと、国際レベルでの協働や透明性確保の重要性を示した。