2026 年 22 巻 1 号 p. 36-42
1980年代後半以降、海外ではサステナブルツーリズムの理念の広まりに伴い、多様な認証制度が整備されてきた。これを背景に、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(Global Sustainable Tourism Council; 以下GSTC)は国際的なサステナブル・ツーリズムの基準を制定した。また、日本版JSTC(Japan Sustainable Tourism Criteria-D)も、国内観光地向けの取り組みガイドラインとして設定された。国内においては国際的な観光認証を取得する観光地・宿泊施設は徐々に増加傾向にあるものの、サステナブルツーリズムは地域特性による課題も異なる。更に国内では概念の認知度や経済的要因などから、認証制度の普及・取得は依然として限定的である。そこで本稿では、海外の先行研究や事例を参照し、①サステナブルツーリズムや認証制度の「効果」と、その普及を妨げている「阻害要因」を明らかにするとともに、②日本におけるサステナブルツーリズムの推進、および国際認証制度導入にあたっての課題と可能性について検討する。結果、海外では受け入れ地域や施設の事業規模・情報・資金面や、観光客側の認識と行動のギャップ等が課題となっていることが特定された。