マクロ・カウンセリング研究
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駆け込み寺2020の活動とインタビューを通して見えてきたもの
—薬害の可視化が社会の健康を取り戻す—
本田山 郁子
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2024 年 17 巻 p. 21-38

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抄録
新型コロナワクチン接種後死亡・後遺症被害は, 2021年2月に医療関係者向けに接種が始まった直後から起きている。厚生労働省は一貫してその被害を積極的に公表しようとせず,「重大な懸念は認められない」との見解を繰り返し述べるにとどまっている。メディアも被害を報じず,逆にワクチン被害を訴える人は精神的におかしな人であるという言説を流布し,被害を訴える人は誹謗中傷され,社会から排除されている。薬害とは社会からの排除と孤立であり,薬害からの回復とは被害者が社会とのつながりを取り戻すことである。コロナワクチン接種後死亡遺族・後遺症被害者の支援団体である駆け込み寺 2020の鵜川和久氏の活動を通して,目の前で困っている人を助けるという当たり前のことを許さない社会の不健康さがあること,その社会の健康を取り戻すためには,その社会の不健康さを社会の外から見つめなおし,私たちが自由で自発的な活動を取り戻すことが有用であることが明らかになった。
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