マクロ・カウンセリング研究
Online ISSN : 2434-3226
Print ISSN : 1347-3638
最新号
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巻頭言
特集
  • いとう たけひこ, 秋本 倫子
    2024 年17 巻 p. 2-
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/06
    ジャーナル フリー
  • 秋本 倫子
    2024 年17 巻 p. 3-20
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/06
    ジャーナル フリー
    2019年冬に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い,解決の切り札として登場したのが mRNAワクチンであった。これは世界初の技術であり,十分な治験を経ずに緊急承認されたものであり,実は数々の問題点を孕んでいた。一部の慧眼の科学者が警告を発していたとおり,導入直後から接種後の死亡,重篤な健康被害等が相次ぎ,被害は増大の一途を辿っているが,政府もマスメディアもこれを隠蔽・否認し,重大な懸念がないとして接種の推奨を続け,日本は世界一新型コロナワクチン接種に熱心な国になっている。そこには,戦時中を思わせるような強力な情報管制がある。他方, Elephant in the Room という慣用句に表現されるように,明らかにそこに問題があるのに,多くの専門家や一般人もワクチンの危険性に目をつぶり共謀してきたと思われる節もある。このワクチンによる死亡の遺族やワクチン後遺症に苦しむ患者たちの支援は,民間のボランティアに委ねられ,公に認められることがない。前例のない異常な事態が生じていることを私たちは直視し,心理学者も心理支援の専門家も関心を持ち自らができることをすべきであると思う。
  • —薬害の可視化が社会の健康を取り戻す—
    本田山 郁子
    2024 年17 巻 p. 21-38
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/06
    ジャーナル フリー
    新型コロナワクチン接種後死亡・後遺症被害は, 2021年2月に医療関係者向けに接種が始まった直後から起きている。厚生労働省は一貫してその被害を積極的に公表しようとせず,「重大な懸念は認められない」との見解を繰り返し述べるにとどまっている。メディアも被害を報じず,逆にワクチン被害を訴える人は精神的におかしな人であるという言説を流布し,被害を訴える人は誹謗中傷され,社会から排除されている。薬害とは社会からの排除と孤立であり,薬害からの回復とは被害者が社会とのつながりを取り戻すことである。コロナワクチン接種後死亡遺族・後遺症被害者の支援団体である駆け込み寺 2020の鵜川和久氏の活動を通して,目の前で困っている人を助けるという当たり前のことを許さない社会の不健康さがあること,その社会の健康を取り戻すためには,その社会の不健康さを社会の外から見つめなおし,私たちが自由で自発的な活動を取り戻すことが有用であることが明らかになった。
  • —心理士として知っておきたいこと—
    村本 邦子
    2024 年17 巻 p. 39-53
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/06
    ジャーナル フリー
    心理士 として 新型 コロナワクチン 被害者 に 何 ができるかを 探 るため , 「新型 コロナワク チン 後遺症患者 の会」 の 協力を 得 て , 今回 はとくに 子 どもの問題 に 焦点 をあて, 調査 を 行 った。会員81名中33名がアンケートに回答し, うち5名が座談会(グループ・インタビュー)に参加した。被害者たちはワクチン接種後, 頭痛, 倦怠感, 体が動かない, 食欲不振などさまざまな体調不良に悩まされ, 学校に行けない状態になった。医療機関ではワクチン被害の可能性を否定され,心の問題にされた。心理士には心の問題を探られ, 本人の性格や子育てのせいにされ, 不快や不信を経験していた。協力者たちは心理士に本人の訴えをそのままに受けとめて欲しいと思い, 学校との調整などアドボカシーを期待していた。現時点では患者会や遺族会からの訴えは社会からほとんど無視されている状況にあり, 被害者たちは体調不良に加え, 社会に対する強い不信と苦悩を抱えている。今回の協力者たちは最終的に患者の会や信頼できる医者に辿り着いているものの, 孤立した被害者は多くいるはずである。このような社会的文脈を理解し, 心理士としての立場をわきまえつつ, クライエントに寄り添い伴走することが求められる。
  • 大学人として職業人としてなすべきことは
    後藤 智子
    2024 年17 巻 p. 54-65
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/06
    ジャーナル フリー
    2020年春,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い,各学校においては休校措置が要請され,大学でもオンラインによる授業が中心となった。2021年より任意によるワクチン接種が開始され,学内外の実習においてもワクチン接種やPCR検査の実施は必須条件とされていないにも関わらず接種や検査が推奨され,十分な説明と納得・同意がないまま学生や教員が受ける事態が見受けられた。本論文では,高等教育機関が担う目的と社会的役割に照らして,今回の感染症対策が果たして妥当であったのか,より望ましい対応可能性について振り返り検証するとともに,大学人として職業人として,自らの倫理的義務及び真の社会貢献の有りようについて批判的に反省し,再考することを目的とする。
原著論文
  • 2023年10月7日の攻撃による共有トラウマに対するイスラエル人アートセラピストの経験
    ガヴロン タミ, 井上 孝代
    2024 年17 巻 p. 66-73
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/06
    ジャーナル フリー
    タミ・ガヴロン博士(PhD.)は,アートセラピストであり,スーパーバイザー,研究者です。彼女は現在テルハイ大学のアートセラピー修士課程の責任者を務めており,イスラエル北部で開業しセラピーを行っています。彼女の研究および臨床の専門分野は,親子アートセラピー,アートを用いたスーパービジョン,コミュニティベースのアートセラピーです。東日本大震災後には被災者にアートセラピー,若い心理療法家を対象に集団アートセラピーのワークショップを行いました(井上他,2016)。
  • 夫婦・父子・母子の相互作用とズレ
    辻 あゆみ, いとう たけひこ
    2024 年17 巻 p. 74-117
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 障害児を育てる家族の課題を明らかにし, その要因に対する新たな仮説を生成することであった。そのため, 3名の母親に対して構造化面接を実施し, 母親が家族, 主には夫婦関係, 父子関係についてどのように思っているかを調べた。その結果, 「夫婦関係」ではポジティブなことが語られた。一方, 「父子関係」ではネガティブなことが多く語られた。「母子関係」が深まると, それが「父子関係」を疎遠にする要因の一つになると考えられた。次に, フォーカスグループを実施し, 母親が「夫婦関係」「父子関係」「母子関係」についてどのように思っているかを調べた。その結果, 父親と子どもとがともに過ごす時間は乏しく, 「父子関係」が形成され難いことが示された。障害児を育てる家族の改善すべき課題として以下の3つが指摘された。第一に, 父親の機微のなさ, すなわち敏感性の弱さから生じる父子関係の問題と夫婦関係の軋轢, 第二に, ジェンダーによって生じる父親が子どもと関わる時間的制約, 第三に, 父親と母親の発達の時間的ズレである。こうした課題があることにより, 夫婦間で子どものことを共有することが難しくなるという仮説が生成された。
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