哺乳類科学
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短報
アブラコウモリの日中ねぐらにおける単独個体と集団の性・繁殖ステージ構成
安井 さち子
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2010 年 50 巻 1 号 p. 49-54

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抄録
アブラコウモリPipistrellus abramusの日中ねぐらにおける単独個体と集団の構成について明らかにするために,東京都府中市で日中ねぐらの調査を行った.日中ねぐらの単独利用個体のほとんどは,成獣オスだった.多くの集団は,成獣メスのみか,成獣メスと幼獣から構成されていた.母獣の含まれた集団のサイズは,3~22個体だった.集団のサイズにかかわらず,集団内で確認された成獣オスの個体数は2個体以下であった.アブラコウモリでは日中ねぐらにおいて単独オスの存在が示唆されていたが,実際にオスによる単独利用が一般的にみられることが確かめられた.成獣メスにおいて,同じねぐらで再捕獲された事例があった一方で,最大87 m離れたねぐらで再捕獲された事例があった.
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© 2010 日本哺乳類学会
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