2024 年 44 巻 2 号 p. 119-128
持続可能な地域形成の重要性が高まる中,巨大地震をはじめとする自然災害や感染症といった観光需要に対して負のインパクトを与える事象からいかに回復できるかが一つの論点となり得る。本研究では,地域が受け入れる平時の観光需要集中度に着目して,負のイベントからの観光需要回復力との関連を検証し,観光地域における今後のマーケティング政策への知見を得ることを目的とする。本稿では,観光地が受け入れる国籍別の宿泊客数を集中度と定義し,近年国内で発生した地震災害および新型コロナウイルス感染症を対象に回復力との関連を検証した。結果,先行研究で提案された集計値としての外客割合と回復力との関連は支持されず,本研究で提案した集中度と回復力とは一定の関連が示唆された。