2020 年 1 巻 1 号 p. 58-66
現在の不動産ポータルサイトの多くは,沿線から駅と順に物件を絞り込んでいくような探索方法が主流である。しかしそれが,合理的に自分に合った居住地を探索する方法だとは限らない。たとえば,似た特徴を持った街の集団が分かっていれば,街の特徴から選択するような探索方法も可能である。そこで本研究では,住みたい街アンケート個票データから,住みたい街ネットワークを構築し,モジュラリティ最大化による手法を用いることで,空間的・心理的距離が近く,似た特徴を持つ街の集団を圏域として抽出することを試みた。その結果,首都圏を75の圏域に分割することができた。さらにコレスポンデンス分析を用いることで,各圏域についての特徴付けを行った。