2024 年 5 巻 1 号 p. 47-54
宿泊施設におけるサービス品質評価の不均一性が,利用客の総合評価にどのように影響しているかについて,大手宿泊予約サイト「楽天トラベル」のユーザーレビュー(7,210施設,576,449レビュー)を用いた検証を行った。その結果,多くのサービス機能において,品質評価の不均一性が大きい宿泊施設では,利用客の総合評価が低くなる傾向があることが示された。またその傾向は,レジャー利用客の方がビジネス利用客よりも顕著であることが明らかになった。さらに,上記で対象とした宿泊施設の支配人に対する追加調査を行ったところ,施設内における統合的品質管理(TQM)の実践によって,サービス品質評価の不均一性を低減させられる可能性があることを見出した。