抄録
本研究では,現代小説における文末表現について機械学習の方法でモデリングし,どのような項目に顕著な変動が見られるかについて考察を行った.具体的には,1910年から2014年までに出版された小説のコーパスを構築し,文末表現のデータを抽出して分析に用いた.まず,語彙的豊富さの指標を利用して文末の多様性の変化を調査した.そして,文末表現に関するモデルを構築し,モデル構築に大きく寄与する項目を抽出して考察を加えた.分析の結果,時期の推移に伴い,文末表現がより多様になってきたことが明らかになった.そして,統計モデリングにより,小説の語り方や技法の変化を示唆する特徴的な傾向が見出された.