抄録
本稿で紹介する「加藤安彦ケータイメイルコーパス」は,故加藤安彦氏が2004年より2010年にかけて専修大学文学部日本語日本文学科加藤安彦ゼミナールにおいてデータ収集・構築を行っていたコーパスをベースとしている.田中ゆかり,三宅和子は,加藤氏より同コーパスの整備と一般公開の遺志を委ねられ,宮嵜由美,林直樹を加えて整備作業・公開手続きに従事した.2001年~2010年に送受信された延べ271,598通,462,874行のメイルがxlsx形式でまとめられた本コーパスは,2023年6月に特定非営利活動法人・言語資源協会により「加藤安彦ケータイメイルコーパス」(GSK2023-B)として配布が開始された(https://www.gsk.or.jp/catalog/).本コーパスは,携帯電話を用いたコミュニケーションが急速に普及した2000年代当時,大学生が現実に送受信した10年間のデータであることに加え,絵文字画像とUnicodeの紐づけ,送受信者の属性や親密度の違いなどの豊富な情報が付されているといった点に特徴があり,今後の研究に資することが期待される.