抄録
症例は29歳、女性。平成18年3月22日に十二指腸潰瘍による症状にて当院受診した。腹部CTと腹部超音波検査にて、膵体部に境界明瞭で被膜を有する約2cmの腫瘤を認めた。周辺部は充実性で中心部は多房の嚢胞様成分がみられた。腹腔動脈造影にて軽度の濃染像を認めた。膵Solid-Pseudopapillary Tumor(以下SPT)を疑い、膵体尾部切除術兼摘脾術を施行した。切除標本にて境界明瞭で被膜を有する腫瘍が膵体部にみられ、腫瘍の割面は暗赤色充実性で、出血・嚢胞化を伴っていた。病理組織学的所見では、腫瘍の充実部分に小型・類円形の核を持つ比較的均質な腫瘍細胞を認め、嚢胞部分には偽乳頭状構造が認められSPTと診断した。免疫組織化学染色では内分泌マーカーが広範囲に陽性であった。以上より、臨床的にはSPTと診断したが、術後の免疫化学染色で内分泌腫瘍の特徴も併せ持った非典型的なSPTを経験した。