抄録
矯正治療はD.B.S.(direct bonding system)や可撤性矯正装置をもちいるのが一般的であるが、固定源である大臼歯の位置異常を改善するのは難しい。特にtelescopic biteの症例の場合はD.B.S.のみによって改善するのは困難である。このような症例に対して近年歯科矯正治療に用いられるようになったセルフドリリング・セルフタッピングの歯科用インプラント(jeil medical社製Dual-top Anchor System)に歯の移動方向をコントロール可能なPalatal Traction Applianceとしてのフック付きメタルフレームを併用して2例の女性に歯科矯正治療を行ったところ、良好な結果が得られたので報告した。治療期間はおよそ4ヵ月程度で、その間の合併症、清掃不良によるフレーム下粘膜炎、咀嚼・嚥下障害などもみられなかった。しかしチタンスクリューを単独で用いた症例では、強い矯正力を負荷することによりメタルフレームが回転してしまったため、正確な方向性を求めるためには複数のチタンスクリューでの固定が要求されることを経験した。