松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
塩化マンガン四水和物の初期使用経験
-最適濃度に関する実験-
堀 郁子飴谷 資樹能谷 雅文謝花 正信生田 浩司南京 貴広小林 直紘石原 修二太田 靖利
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2008 年 12 巻 1 号 p. 21-28

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抄録
塩化マンガン四水和物(ボーズデル)原液250ml を膵胆道系のMRI 検査に臨床使用した際、十二指腸内がT2 強調画像で高度低信号になり、膵頭部・乳頭の輪郭が不鮮明となった症例が多くみられた。基礎実験を行い、3 倍・5 倍希釈液では、軽度の低信号になることが確認された。実際の臨床において3 倍希釈液250ml 内用を応用したところ、半数以上の症例では、十二指腸内部の信号は適度な低信号となったが、約1/4 の症例では、高度低信号であった。次に3 倍希釈液300mlに増量し、体位変換も併用した場合、十二指腸の高度低信号の割合は1/10 に減少した。また、MRCP においても胃・十二指腸液が高信号として残存する症例は少なかった。3 倍希釈による副作用も経験していない。ボーズデルの使用方法として原液ではなく、3 倍希釈の方が、T2 強調画像での情報が増加し、MRCP の画質も低下しないことが確認された。
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© 2008 松江市立病院
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