抄録
平成18 年に当院職員に対して、麻疹、水痘、ムンプス、風疹ウイルス抗体検査を実施した結果、その抗体陽性率は麻疹91.9%、水痘94.2%、ムンプス93.6%、風疹87.6%であった。平成19 年4 ~ 5 月には職業感染対策として、感染力の強い麻疹、水痘の抗体非保有者に対してワクチンを接種した。その後、ワクチン接種者に対して抗体検査を行ったところ、麻疹で93.1%(29 名中27名)、水痘で83.3%(6 名中5 名)が抗体を獲得したことが確認された。 麻疹、水痘、ムンプス、風疹はいずれもワクチンによって予防可能な疾患であり、職業感染のリスクが高い医療従事者の各ウイルスに対する抗体保有状況を把握し、ワクチン接種の対策をとることが必要である。