松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
血小板減少で発症した発作性夜間血色素尿症の一例
錦織 優吉村 禎二岡田 清治境 洋子
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キーワード: 血小板減少, PNH, ダナゾール
ジャーナル オープンアクセス

2008 年 12 巻 1 号 p. 65-69

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抄録
大量の不正性器出血で発症し、子宮内膜癌と特発性血小板減少症として治療、経過観察中に溶血と造血不全が明らかとなり、末梢血中に発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria,PNH)タイプ細胞をフローサイトメトリー法で検出しPNH の診断を得た症例を報告する。経過中少量のダナゾールが貧血と血小板減少に4 年以上有効であった。 PNH は比較的稀な疾患であるが、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群と共に骨髄不全症候群に属する。病像が重なったり相互に移行しうるので鑑別診断が重要となるが、まずPNH を思いつくのが大切である。
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© 2008 松江市立病院
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