松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
当院における皮下埋め込み型中心静脈ポート留置例の検討
飴谷 資樹堀 郁子謝花 正信南京 貴広小川 敏英
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2010 年 14 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

【目的】皮下埋め込み型中心静脈ポート(CV ポート)留置例について留置部位と合併症について検討した。【方法】2005 年8 月から2009 年8 月までに当科でCV ポート留置を試みたのべ871 例のうち、ポート留置に至らなかった3 例をのぞいた868 例を対象とし、留置方法、留置部位、合併症について後ろ向きに検討した。【結果】CV ポート留置手技の成功率は、99.7%(868/871)であった。留置部位は右上腕が490 例(56%;US ガイド下10 例、透視下4 例)、左上腕が220 例(25%;US ガイド下6 例)、右前胸部が107 例(12%)、左前胸部が26 例(3%)、右下腹部が20 例(2.3%)、左下腹部が5 例(0.6%)であった。CV ポートの抜去や再留置を行う必要があった合併症例は全部で88 例10.1%(88/868)であった。留置から合併症による抜去までの期間は1-770 日(平均138 日)であった。合併症の内訳は、感染あるいは感染疑いにて抜去した例が5 1例5.9%(51/868)、閉塞で抜去した例は、27例3.1%(27/868)であった。留置部位と感染および閉塞の頻度には有意差は認めなかった。【結語】上腕留置によるCV ポート留置は安全に施行可能な手技で合併症も前胸部留置と差がなかった。

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