2019 年 22 巻 1 号 p. 36-39
気管支喘息治療における長期管理には広く吸入療法が用いられ,特に吸入ステロイド薬+ 長時間作用型β 2 刺激薬が治療の中心的な位置を占めている.薬剤師による適切な吸入指導により気管支喘息コントロールを改善させるという報告があり,その際吸入指導は1 回のみではなく,複数回行うことが望ましいとされている.今回当院の吸入療法施行患者の現状調査を行い,退院後に保険薬局と連携し継続的に吸入指導が可能な方法を検討した.初回吸入指導時の平均在院日数は9.9±14.4 日で薬剤師が2 回目の吸入指導を行えた例は7 名(28.0 %)であった.退院後も確実な吸入療法の実施に向け,継続的に吸入指導を行うため,「吸入指導連絡票」および「吸入指導報告書」を作成した.地域の保険薬局と連携することで継続した吸入指導を行うことが可能となり,気管支喘息コントロールに貢献できると考えられる.