松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
ポリファーマシー対策の現状と課題
安達  奏恵青山  翔子今井  孝酒井  牧子河野  通盛
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2024 年 27 巻 1 号 p. 16-20

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抄録
当院では2020年6月から,入院時に内服薬を4週以上継続して6剤以上服用している患者に対し,週1回ポリファーマシー対策チームがカンファレンスを行い,医師へ処方内容の変更提案を行っている.本研究の目的は,対象患者の年齢や処方した診療科,薬剤の分類ごとの減薬の提案と実施の実態を明らかにし、今後のポリファーマシー対策に役立てることである. 2020年7月~12月の間にポリファーマシー対策チームが処方内容の見直しを行った入院患者545名のうち,処方変更の提案を行った患者は389名,薬剤は808剤で,変更を実施した患者は143名(37 %),薬剤は241剤(30 %)であった.提案薬剤は消化器系薬,睡眠薬・向精神薬・抗うつ薬,脂質異常症治療薬の順で多く,処方変更実施薬剤も同様の順となった.減薬継続薬剤は消化器系薬,睡眠薬・向精神薬・抗うつ薬,降圧薬の順となった.ポリファーマシー対策チームによる提案による処方変更は,年齢,処方薬剤,診療科により有意な差が認められ,90歳以上の高齢者,消化器系薬,脳神経外科で処方変更例が多く,消化器外科と糖尿病内科で処方非変更例が多かった.退院時に減薬が実施され,退院後の経過を追跡できた患者58名について,入院中に減薬が実施された薬剤87剤中79剤(91 %)の減薬が継続されていた.ポリファーマシーに介入して処方変更を促進するためには年齢,薬剤の種類,診療科などを考慮して提案を検討していく必要があると考えられた.
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