抄録
1999年8月から約1年間の脳ドック受診者で,一過性虚血発作の既往のない270名(男123名,女147名,平均60.14歳)を対象に,MRI画像上にみられる大脳白質小虚血巣の出現頻度を年代性別に調べた.その結果,100名に小虚血巣がみられ,その数・頻度は加齢と共に増加し,その危険因子は高血圧であると考えられた.小虚血巣の数について,年代・性別の75パーセンタイルは40歳代,50歳代は男女ともに0個,60歳代男性は5個,女性は6個,70歳代男性は17個,女性は13個となった.一方,どの年代においても小虚血巣が11個以上みられる場合,無症候性脳梗塞の頻度が高く,高血圧等その原因となる危険因子を検索・管理する必要があると考えられた