2021 年 77 巻 5 号 p. I_341-I_348
本研究では,神奈川県相模湾沿岸地域におけるヒアリング調査の議事録に,テキストマイニングとネットワーク分析を適用して,気候変動影響や適応に関する論点を抽出した.ヒアリングの中で使用された語の関係性から10の論点が抽出され,このうち「砂浜の消失」「台風被害・気象災害」「高潮・津波対策」「水産業・磯焼けへの対策」は多分野のステークホルダーから言及されていた.これらのテーマについての実感は概ね共通しているが,「砂浜台風高潮」の話題については分野ごとに異なる語が出現していた.多くのステークホルダーの参画を得ようとする際,ある論点について分野ごとに異なる切り口でアプローチする必要があることが示唆された.