松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
ボツリヌス毒素による眼瞼痙攣の治療経験
潘 偉華浜本 順次殿本 美奈子
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ジャーナル オープンアクセス

2001 年 5 巻 1 号 p. 25-28

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抄録

A型ボツリヌス毒素による眼瞼痙攣の治療経験を報告した.中国の銀川市第一人民病院眼科を受診した本態性眼瞼痙攣患者5名(男2名,女3名:37~62歳)に対し,A型ボツリヌス毒素2.5単位または,5単位を眼瞼の周囲5箇所と眉毛部両端2ヶ所に筋注した.その結果,全例で症状は改善した.効果持続期間は,投与回数が10回であった60歳女では,投与4回目までは8週であったが,5回目以降は6週と短くなった.その他の4症例では11週から14週であった.眼瞼痙攣の随伴症状としては,2例に顔面筋痙攣を認めた.ボツリヌス毒素投与による副作用として,閉瞼不全,流涙,頭痛があった.本療法は,眼瞼痙攣に有効な治療法であると考えられたが,副作用を減らす為に投与量の検討が必要である

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