2001 年 5 巻 1 号 p. 25-28
A型ボツリヌス毒素による眼瞼痙攣の治療経験を報告した.中国の銀川市第一人民病院眼科を受診した本態性眼瞼痙攣患者5名(男2名,女3名:37~62歳)に対し,A型ボツリヌス毒素2.5単位または,5単位を眼瞼の周囲5箇所と眉毛部両端2ヶ所に筋注した.その結果,全例で症状は改善した.効果持続期間は,投与回数が10回であった60歳女では,投与4回目までは8週であったが,5回目以降は6週と短くなった.その他の4症例では11週から14週であった.眼瞼痙攣の随伴症状としては,2例に顔面筋痙攣を認めた.ボツリヌス毒素投与による副作用として,閉瞼不全,流涙,頭痛があった.本療法は,眼瞼痙攣に有効な治療法であると考えられたが,副作用を減らす為に投与量の検討が必要である