抄録
33歳女.幼少時より癲癇治療を受けていた.心窩部痛を主訴とした.胃内視鏡検査により,胃体下部から前庭部にかけて大小不同の不整形の多発潰瘍を認めた.7箇所から内視鏡下生検を行ったが,特異的な所見はなく,抗潰瘍剤による治療は無効であった.原因精査のため入院となり,再度内視鏡下生検を行ったところ,Langhans型巨細胞を伴う類上皮肉芽腫が認められた.胸部CT検査では,左肺門および気管支リンパ節腫大と,肺左葉S6に肺内小結節を認め,肺結核が疑われた.ツ反も強陽性であった為,結核菌の証明はできなかったが,活動性胃結核,肺結核と臨床診断し,抗結核剤の投与を開始した.約1ヵ月後には,全ての潰瘍は完全に治癒し,自覚症状も消失した