抄録
症例1:50歳男.主訴は右上腹部痛,貧血,嘔吐.肝臓下面に直径約10cmの腫瘤を認め,中心部が壊死しており腫瘍の内腔と十二指腸球部に交通があった.生検組織診断により胆嚢未分化癌と考えられ,抗癌剤の動注療法を施行したが4ヵ月後に死亡した.症例2:77歳男.主訴は微熱,食欲不振,右下腹部痛.多量の腹水と肝S8に直径5cmの石灰化を伴う腫瘤があり,肝下面にも胆嚢に接して直径8cmの腫瘤を認めた.各種腫瘍マーカーは陰性で,対症療法を行ったが2ヵ月後に死亡した.病理解剖所見では,肝門部,十二指腸及び結腸が腫瘍の浸潤のため一塊となっており,腹膜,肝臓にも転移を認めた.組織学的には胆嚢内腔に中分化型腺癌があり,その直下より肉腫様細胞が認められた