抄録
本稿では,愛知県豊橋市にある広域下水処理場である豊川浄化センターにおいて豊橋技術科学大学等が実施しているバイオマスパーク構想について紹介する。同構想においては,下水汚泥および生ごみなどのバイオマスを混合嫌気性消化することによるバイオガス生産,消化液の高品位リン肥料化,嫌気性消化により発生する二酸化炭素を用いた海藻工場の実証,バイオガス発電時に発生する二酸化炭素および熱を用いた作物生産施設の実証を計画している。本構想における産学官民・農商工観連携の重要性について述べるとともに,事業を進めていく上での研究課題および制度的な隘路について解説する。