化粧品・医薬品・医薬部外品,これらの製品は非常になじみ深いものであり,人によってはある意味,生活必需品になっている物もあると思われるが,これらは一般家庭に入り,消費され,どのような形で処理処分されているのであろうか。そこで,これらの製品の生産に関わる状況を調査するとともに,不燃ごみ中から採取した製品および容器について,埋立処分時における炭素および窒素成分の溶出負荷量について検討を行った。
その結果,これら製品の生産は景気の影響をあまり受けておらず,統計データからもこれらの製品が生活必需品となっている現状がわかった。また,これら製品の販売金額を考慮すると,これらに関わる廃棄物量は総排出量の 10 % 以下であることが推測された。未使用製品の溶出試験結果から,これら製品の中には,炭素含有量が焼却主灰や不燃残渣中に含まれる量よりも著しく高いことが明らかとなった。容器内残留物や未使用物に注意し,破砕前にこれら製品を可能な限り除去することが,埋立地への負荷を考慮すると望ましい前処理方法であることがわかった。