抄録
医薬品・医薬部外品・化粧品については,薬事法のもと,各々の区分が定義されている。また,各々の原材料として使用できる化学物質 (成分) に関する基準が規定され,化学物質 (成分) リストが公表されている。それらの化学物質 (成分) については,生物学的試験による安全性評価が行われている。それとともに,医薬品・医薬部外品・化粧品については,製造販売後の安全管理の基準が規定され,副作用等による健康被害事例の報告を含めた安全管理情報の伝達・活用を推進することにより,安全管理が図られている。特に,近年発生した医薬部外品による健康被害事例について,関連学会を中心として,行政機関,業界団体,医師,物理・化学・生物学等の科学者等,幅広い組織および専門家の協力のもと,健康被害事例に関する疫学調査,健康被害のメカニズムの解明,原因化学物質の特定等,健康被害の発生防止のために,新たな取り組みが実施されるようになっている。