抄録
使用済み化粧品びんのリサイクルへの取組経緯とその実施状況について報告するとともに,今後の課題について検討した。ほとんどの化粧品びんは,すでに飲食品のびんとほぼ同様のソーダ石灰ガラス素材になっていたが,一部の耐熱ガラス等が問題視されていた。そこで関係団体がその使用量調査や混入時の溶融実験を行い,その結果に基づいてリサイクルの合意が形成された。化粧品びんのリサイクル可能宣言後,約 50 % の自治体で分別ルールが変更されたが,その後伸び悩んでいる。その背景には,自治体に情報が伝わっていないことや,リサイクル事業者に手間やリスクに対する負担感があると推察された。今後は,既に実施している自治体の経験を共有する場を設ける,化粧品メーカーがさらに分別排出しやすい製品設計を行う,などの対応が望まれる。