抄録
最終処分場の浸出水処理は,ごみの焼却処理の推進とともにカルシウムスケール付着の問題を抱えるようになってきた。カルシウムスケールトラブル対策は一般にライムソーダ法が用いられるが,薬剤を多量に使用するためランニングコストが事業者の大きな負担となっている。
太平洋セメント (株) では薬剤を用いない新しいカルシウム除去方法を開発し,浸出水処理に適用を試みている。新しいカルシウム除去方法はイオン交換樹脂を用いる方法であり,薬剤の使用を不要としている。また,この方法はカルシウム汚泥を発生させないため,付帯効果として汚泥の再埋立による最終処分容量の減少の問題や,再埋立で発生するカルシウムの再溶出の問題も解決できるという効果も得られる。実用化の進捗については,パイロットスケールの試験を終了した段階である。