抄録
ごみ発電の有効利用について,電力自由化以前と電力自由化以後では考え方や方法論が異なる。本稿では,電力自由化のポイントとは何かを概説する。これまでごみ発電活用というと,それを高く売ること,公共施設にあっては入札で安価に購入することに主眼が置かれていた。自由化以降は,新電力に関与することで,ごみ発電の購入価格,公共施設への電力供給価格の決定権を掌握することになり,一般電気事業者の「発電」+「送配電 (新電力託送)」+「小売」の収益構造において,特に送配電を新しく事業に加えることができる。収益性が一段と向上するとともに,電気料金に関わる資金が外部に流出せず域内で循環することになり,地域の活性化にも貢献できる。そこでどうして市町村が新電力事業に取り組まねばならないか,なぜ公共施設へ電力供給を行わねばならないのかについて述べる。
事業を行うにはリスクを伴うが,リスクとなる因子を探索し,極小化する仕組みも検討した。