抄録
離島では観光客の増加によるごみの処理が大きな問題である。自治体の規模が小さく,単独ではごみ処理施設の整備やメンテナンスが難しい一方で,広域な処理体制もとりにくい。
リサイクル関連法によって離島でもリサイクルが進んでいるが,選別や保管,島外への搬出等法律が想定していない問題がある。また,ごみを海上輸送しなければならず,業の許可の問題や輸送コストの問題等,離島特有の問題がある。離島では漂着ごみや海岸打ち上げごみも問題となっている。回収のための人手や処理費用が足りないために十分な対応ができていない。ごみの発生抑制のためには,島内でリユースする容器の使用等,島内循環の仕組みづくりや,散乱ごみ対策としてのローカルデポジットの導入,使い捨て容器包装の規制等,離島ならではの独自の施策の導入が求められる。