廃棄物資源循環学会誌
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特集:熱処理残渣の資源化と課題
溶融スラグの再資源化の現状と利用拡大への取り組み
永山 貴志小野 義広水田 耕市
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2018 年 29 巻 5 号 p. 384-391

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抄録

一般廃棄物の溶融処理技術は 2000 年代に本格的に普及した。溶融処理は溶融スラグの有効利用が伴ってこそ意義のあるものであり,溶融スラグの利用普及のために 2006 年にコンクリート用骨材および道路用骨材としての溶融スラグ JIS が制定された。
 溶融スラグは現在,年間約 80 万 ton 生産されており,その大半が JIS に準拠した製品として,コンクリート二次製品の骨材,アスファルト用骨材,埋戻材等に有効利用されている。また他方では,安定した流通を確保するために溶融スラグの特徴を活かした利用用途の拡大に各社が取り組んでおり,地盤改良材や排水改善材等の土木資材としての用途拡大の他,肥料や藻場ブロック等の農業利用や漁業利用への展開も行われている。

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© 2018 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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