抄録
最終処分量に対する都市ごみ焼却残渣の割合は,2016 (平成 28) 年度時点で 77 % にまで上昇していることから,資源化を加速する必要がある。セメント原料化において,特に都市部では,焼却残渣を多量に活用する際には脱塩が必要な普通ポルトランドセメント原料だけでなく,焼却残渣の原料化率 50 % 以上のエコセメント原料化の広域処理も検討すべきである。一方で,地域特性により,既存セメント工場の利用,溶融スラグ化,抽出や物理選別による金属回収についても検討するとともに,2018 (平成 30) 年 4 月に閣議決定された第五次環境基本計画で示されたとおり,環境,経済,社会の統合的取組に資する最適な焼却残渣の資源化システムを提示していくことが求められている。