抄録
プラスチック素材の発見から 1 世紀,本格的な素材利用からわずか半世紀あまりで,海洋のマイクロプラスチック問題や温室効果ガス問題に直面した世界は,さまざまな国際機関でプラスチック素材の使用と循環のあり方を本格的に再検討しつつある。そうした現状で,本論では発生抑制・再使用・再生利用という 3R に,再生可能資源利用 (Renewable) と回収 (Recovery) を加えた「3R プラス」原則を考えてみた。3R の観点に加えて,再生可能資源利用に徐々にシフトしていくこととエネルギー回収と環境に排出されるプラスチック回収も考えねばならない。そして,「3R プラス」のもとでの対策事例として,レジ袋の有料化制度の実施に取り組み,その効果を確認した京都市の事例を紹介,使用枚数半減の効果は期待できることを示した。また,バイオプラスチック素材への取り組みの考え方とそのライフサイクル解析事例も併せて紹介し,ライフサイクルベースでの温室効果ガス量の削減が期待できる例もみられていることを報告した。