抄録
下水汚泥には肥料養分が下水から濃縮されるといえ,下水汚泥肥料・堆肥の耕種利用が期待されている。家畜ふん堆肥の利用が進んでいる一方で,下水汚泥堆肥の耕種利用は進んでいない。本報告では,下水汚泥堆肥の施用で期待されること,また懸念されることを整理し,下水汚泥堆肥の利活用に向けてどのような下水汚泥堆肥が求められるか,研究事例等にも触れながら述べる。下水汚泥堆肥は,加里を除けば家畜ふん堆肥と同等,あるいはそれ以上の有機物や養分 (窒素,りん,カルシウム等) を含んでいる。また,有害 (半) 金属量も家畜ふん堆肥と同量程度である。難溶態りんを多く含むが,これらはク溶性である。凝集剤や微量物質の影響等も考慮に入れながら下水汚泥堆肥の理化学性を評価し,その利用用途を整理する必要がある。また下水汚泥堆肥の評価点,評価方法,品質目安等も提示する必要がある。