廃棄物資源循環学会誌
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特集:廃棄物の肥料利用
土壌肥沃度向上のためのバイオマス資源の肥料利用
後藤 逸男
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2021 年 32 巻 6 号 p. 435-444

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抄録
わが国の畑・施設では過剰施肥によるリン酸・カリ等の土壌養分過多とアンバランス化,水田では有機物やけい酸質肥料の施用不足による地力低下が顕在化し,土壌肥沃度の二極化が進んでいる。畑では家畜ふん堆肥が肥料ではなく土づくり資材 (土壌改良資材) として施用されてきたこと,本来堆肥施用を要する水田では,米価の低迷や人手不足等により堆肥やけい酸質肥料の施用量が激減したことが一因である。日本国内で発生する家畜ふん尿・下水汚泥・食品循環資源等のバイオマス資源には,国内で使われる化学肥料中の窒素・リン酸・カリ量をはるかに上回る肥料成分が含まれている。従来では,バイオマス資源の堆肥利用が主流であったが,今後は見た目にも既存と類似する肥料を開発し,その普及を進めることが求められる。ただし,有機物のみに依存する有機農業では,土壌の養分アンバランス化を助長しかねない。その回避には,肥料成分施用量を任意に調節できる化学肥料の併用が不可欠である。
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© 2021 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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