廃棄物資源循環学会誌
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特集:化学物質のどこに着目するか―難分解性・移動性の環境脅威―
有機フッ素化合物の再資源化の取り組み
冨田 真裕松岡 康彦
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2024 年 35 巻 4 号 p. 281-286

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抄録

ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は10,000 種を超える有機フッ素化合物の総称で,その中のペルフルオロオクタン酸(PFOA),ペルフルオロオクタンスルホン酸 (PFOS),ペルフルオロヘキサンスルホン酸 (PFHxS) は,難分解性,高蓄積性,長距離移動性およびヒトや生物への有害性が懸念され,残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約) で規制されている。近年,欧州では PFAS の難分解性や生物蓄積性,移動性への懸念から,すべての PFAS を一括で規制する提案がなされている。しかし,FCJ(日本フルオロケミカルプロダクト協議会)は,PFAS 全体を有害物質として規制するのは科学的根拠に欠けるとし,個々の物質や代表的な物質群ごとにリスクを定量的に評価すべきと主張している。また POPs 条約で規制される物質を「特定PFAS」と定義し,その他の PFAS と区別することを提案している。

 FCJ の参画企業はフッ素化学品を製造しており,その事業活動における環境負荷の最小化と,製品を通じた環境影響の抑制に努めている。今回,その一例として PFAS リサイクルの取り組みを紹介する。

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