2021 年 31 巻 1 号 p. 2-7
小野薬品は、1717年に初代伏見屋市兵衛が大阪道修町に薬種商を創業して以来、300年という大きな節目を越え、さらなる挑戦に向けて新たな一歩を踏み出した。「真に患者さんのためになる医薬品」を世界市場で継続的に開発・上市できる研究開発型国際製薬企業(グローバル スペシャリティ ファーマ)へと変貌するために、重点疾患領域の設定や低分子以外のモダリティー活用、オープンイノベーションのさらなる強化・加速のための米国小野財団やOno Venture Investment設立など、創薬研究のやり方を大きく変化させている。本稿では、小野薬品のこれまでの創薬研究活動を振り返るとともに、メディシナルケミストを取り巻く最近の変化について紹介したい。