2021 年 31 巻 1 号 p. 30-35
免疫チェックポイントの受容体(PD-1)またはリガンド(PD-L1)を抗体でブロックすることが有効な治療法であることは複数のがん種に対して証明されており、このがん免疫療法の成功はがん治療にパラダイムシフトをもたらした。抗体で薬効が担保された標的分子を、安価で経口投与可能な低分子薬で阻害することを目指した創薬活動は、ハードルは高いもののその意義は大きい。抗体とは異なる作用機序で抗体と同様の薬効を示す“低分子ならでは”のさまざまな創薬アプローチについて紹介する。