2023 年 33 巻 3 号 p. 122-126
メラノコルチン1受容体(Melanocortin 1 Receptor:MC1R)作動薬は、メラニン形成の促進や炎症および線維化を抑制することが期待される。実際に、合成ペプチドであるアファメラノチドが赤芽球性プロトポルフィリン症(Erythropoietic Prorotoporphyria:EPP)の治療薬として欧米で承認されている。しかし、本剤は皮下インプラント製剤であり、経口投与可能な薬剤の開発は患者さんの利便性に大きく貢献できる。筆者らは、最適化における試行錯誤の中で、「カルボン酸の導入」「フッ素原子の導入」および「3級アミド化合物への変換」により、強力なアゴニスト活性を有し、薬物動態および安全性に優れるMT-7117(dersimelagon phosphoric acid)の創製に成功した。