抄録
1) 共感は心理的現象であり,外から観察できない.また,日本語の共感は,英語のempathy とsympathy両方の意味で使われている.このため,指導や評価に難しさや混乱がある.
2) 本論文で提唱する「対話法」では,医療者の応答を「確認型応答」と「反応型応答」の2つに分ける.この方法に基づいた指導は,医療コミュニケーションスキルの向上に寄与している.
3) 「確認型応答」は,empathyの働きと似ている.このような言語的コミュニケーションに注目することで,共感を観察可能な技能として評価できる.