2016 年 47 巻 2 号 p. 89-96
2008年12月に出された中央教育審議会の答申「学士課程教育の構築に向けて」において, 教員の教育業績を多面的に評価するという観点からティーチング・ポートフォリオが取り上げられた. それ以降, 日本でもティーチング・ポートフォリオを作成する教員は年々増えており, 教育活動を可視化するツールとして, その有用性は認められている. しかしながら, 今のところティーチング・ポートフォリオは主に教育改善にのみ活用され, ティーチング・ポートフォリオによる教育業績評価についてはあまり議論されていない. そこで, 本稿ではティーチング・ポートフォリオを紹介するとともに, これを用いた教育業績評価方法について述べる.