抄録
構造方程式モデリングは、仮説として提案した変数間の関係性をモデル化し、その妥当性を検証するという点において非常に有用な統計的分析ツールである。特に動機づけの構造を明らかにするという観点から、近年、英語学習動機づけ研究において使用例が増えている。一方で、なぜその仮説を立てたのか不明な研究も多く、「検証的」という本来構造方程式モデリングが持つ特性から離れているケースも見られる。紙面や時間が限られるからとは言え、構造方程式モデリングでは仮説が最も重要な要素である。従って、本論では、構造方程式モデリングを行う際の仮説の重要性について述べる。